ARTZ 924 Shooting Break


スポーツカーを改造して仕立てた特別なスポーツ・ワゴンは、愛犬を連れて狩りを楽しむヨーロッパの富裕層に人気があり、アストンマーチンやベントレー、ロータスなど英国のメーカーがカタログ・モデルとして少数製造したほか、多くのスポーツカー・メーカーやデザイナーが同様のモデルを発表しています。実際の需要は限られているため、こうしたモデルの殆どはショーのためのプロトタイプで終わりますが、フェラーリやポルシェなどのスポーツカーを顧客の要望に応えてワゴンに改造するチューナーがヨーロッパには数多く存在しています。

210馬力の2リッター・エンジンを搭載する 924カレラGTは、GTクラスのホモロゲーション取得のため、406台が製造されました。本家のポルシェからは 924のワゴンは発表されませんでしたが、アウディやVWをベースにしたスペシャル・ワゴンの製作で知られているARTZは、希少な924CarreraGTをベースにしたワゴン・モデルも手がけており、20台の924シューティング・ブレイクが製造されたといわれています


この作品はハセガワ(Hasegawa) 1/24のプラ・キットを改造したものです。944の最大の特徴であるグラス・ハッチを取り去り、ルーフを後方に延長、ワゴンに仕立ててみました。張り出したオーバーフェンダーやエア・インテークなど、ARTZが製作した実車の資料を参考に改造しています。古来、狩りを楽しむ欧州の貴族が、多少の荷物を積んで狩場での移動に使った小型の馬車(Shooting Break)がネーミングの起源であるシューティング・ブレイクは、SUVの元祖と言えるモデルです。